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zoom RSS バグ/BUG

<<   作成日時 : 2008/06/07 01:37   >>

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劇作家トレイシー=レッツの壊れた人間像×監督ウィリアム=フリードキンのサイコスリラーがマッチした。
ブレインウォッシュの恐怖が心地悪く目前に襲い掛かってくる映画。

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 映画「バグ/BUG」(2006)は2004年オフブロードウェイでデビューした芝居を映画化したもの。原作とはやや違うものの、人間の心理的不安や精神的不安定がどこまでも人生を破壊していく可能性を秘めているところは映画も原作と同様、大筋のテーマになっている。アグネスをアシュレイ=ジャッド、ピーターをマイケル=シャノン、アグネスの元ダンナをハリーコニックJrが演じている。マイケル=シャノンはオフ=ブロードウェイの舞台版も出演した。
 超簡単ストーリー:9年前に息子が行方不明になったアグネスは夫の家庭内暴力から逃れるためにモーテルで暮らしている。そこにレズビアンの恋人に連れられて見知らぬ男、ピーターがやってきた。アグネスとピーターはほどなくして、お互いの不安から逃れるかのように信頼を求め、つながりを求めて愛し合う。しかしその夜、その男は突然「バグ(寄生虫)が俺の体を蝕み始めた。」と言いだすのだった
 この映画「こわーーーーーい!」の一言。このタイトルにもなってるバグなんだけど、映画の中でバグが何万もいるみたいなこと言ってるんだけど、バグはどこにも見えないの。少なくとも画面には映らないの。つまり頭のなかの、想像上のバグなんだよね。だからピーターには実在しないバグが見えてるの。そしてアグネスもどんどん影響されてバグが見えはじめちゃうの。つまり、脳みそが思ったこと、信じたことが人間の全機能を支配しているのね。これって究極のブレインウォッシュだなって思ったら恐ろしくって恐ろしくって。。。。もしかして人の弱みにつけこんで、どんどん他人の脳みそが自分を犯していくことって実は日常生活のどこにもある出来事なんじゃないかな、それが究極になるとこの映画みたいになっちゃうんじゃないかしらって思ったら恐ろしくなったわ。ふと映画「ホリースモーク」を思い出したけどあれより数倍恐ろしいブレインウォッシュだわよ。
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 アグネスは息子を失って、夫がDVで、お金もなくって不安でどうしようもないのを、レズビアンの彼女やドラッグに手を出すことでなんとか自分を保つことができてるのね。そこへバグ男が突如現れるの。で、最初すんごい自分守って壁作るんだけど、セックスして、ダンナを追い出してくれたあとは簡単に女になっちゃって、そこから彼のブレインウォッシュにどんどんはまっていっちゃうのね。その変化をアシュレイ=ジャッドが素晴らしく演じてる。汚れ系の役にも果敢に飛び込める女優、私大好き。彼女のこと見直しちゃった。もっともっと彼女の作品たくさん観てみなくっちゃ。それからマイケル=シャノンは言うまでもなく素晴らしい。舞台俳優としてロンドンのウエストエンドでもキラー=ジョーやバグを演ってるらしい。いつかは生で彼の舞台を拝見したいわ。
 トレイシー=レッツは面白いもの書きます。2008年度のピリッツァー賞受賞した新作AUGUST:OSAGE COUNTRYも彼の作品。壊れた人間たちを描くのに優れた作家。ドラマだから脚色はあるものの、今のご時世狂った家族や上辺だけの絆の見出せない家族像を赤裸々に皮肉に面白く描写するのよね。映画は全体をサイコっぽく仕上げてるけど、実はキャラクターの描写が男も女もとてもいいのね。そんで会話が本当に面白いの。舞台バージョンだともっと笑えるところがたくさんあるのよね。今後に注目したい作家のひとり。
 映画のセットなんて、モーテルの室内がほとんどで、登場人物も4−5人だけ。なのにここまで鬼気迫る作品に仕上がってるのは、監督ももちろんだけど、本の質の良さと、役者の良さなんだなぁ。。。そういう点ではとても評価すべき映画だと思う。だた、テーマがテーマだけに万人受けはしないよね。これ、ある意味ラブストーリーだと私は思うんだけど、ヒューグランドやリチャード=ギアが出てくるようなラブストーリーが好きな人には絶対にオススメできないわ。けど、私にとってはこっちの方がラブストーリーとしてもリアルで好みだったりするんだけどね。
 しかし人間てなんてもろくって弱い生き物なのかしら。それで何かを信じて強くありたいっていう欲求がとても強いの?!、不思議だわぁ。そして人間信じるもの次第では地獄だって天国って思えちゃうんだって気がした。すべて脳みそしだい。
 バグがたまに見えそうになる人は大変なことになる前に観といたほうがいいかも。でも決して健康的な映画ではないので、心の準備は必要かも。

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